真田幸光はアジア経済をこう見る(2024年12月2日号)
「冬の鍋物」
いよいよ今年も12月、最後の月に入りました。
今年は、秋になっても比較的暖かい日が続いていましたが、最近では、木枯らしも吹いて、寒くもなってきました。
そして、この季節、つまり、冬に美味しく食べられる旬の魚としては、タラ、カレイ、ブリ、ヒラメ、石鯛、マグロ、アンコウ、ナマコ、牡蠣など、盛りだくさんであります。
その中でも、魚偏に雪と書くタラ(鱈)はその漢字が示す通り、冬を代表する旬の魚ではないでしょうか。
そして、タラの料理は何と言っても「鍋物」ではないかと思います。
今晩は、タラの鍋物にでもしようかと思います。
今週のチェック・ワード
[中国本土、反スパイ法について]
中国本土政府は本年10月29日、反スパイ法違反の疑いで韓国人が逮捕したと発表しました。
この反スパイ法によって、日本人も逮捕されていることはご高尚の通りですが、中国本土は本格的に逮捕を拡大しているようです。
実態、スパイ容疑の真偽は分かりません。
冤罪なのか、中国本土政府の言っている容疑が正しいのか、よく分からないと言う意味であります。
但し、中国本土は少なくともこれまで、こうした容疑で逮捕した人々の裁判を原則としては公開をしておらず、疑心暗鬼は高まります。
前述した韓国人逮捕について、中国本土政府・外交部、
「韓国公民がスパイ罪の疑いで中国本土の関係当局に逮捕された。
中国本土は法治国家であり、法に従って犯罪活動に対処する。」
と述べてはいますが、裁判が公開されるのか否かが注目点であり、それがなされないと、
「中国本土は法治国家である。」
という言葉にも疑問が残ります。
韓国政府・外交筋によると、2014年に中国本土が反スパイ法が制定して以降、韓国人が同法に基づいて拘束されたのは初めてとされ。韓国政府も神経を尖らせ始めています。
今回、逮捕されたのは、元三星電子社員で安フェイ省合肥市に住み、中国本土の半導体企業に勤務していた50代の韓国人であり、昨年12月に自宅から連行された後、今年5月に正式に拘束され、合肥の拘置所に収監されたとされています。
私は実は過去に中国本土出張中に地方都市で、中国人が不正腐敗の容疑で私のいたレストランで逮捕された現場を見ていますが、その逮捕執行状況には、恐ろしいものがありました。
多分そうした拘束劇が展開されたのではないかと予想されます。
こうした中、韓国国内では、中国本土が自国内に住む韓国人にスパイ容疑を適用すると、中国本土で活動する技術産業従事者の活動が大幅に萎縮しかねないという懸念が示されています。
昨年9年ぶりに改正された、この中国本土の反スパイ法は適用範囲が曖昧で広範囲であると指摘されてきたが、実際に韓国人が拘束されたことで、中国本土にいる韓国の技術産業従事者による活動は制約を受けることが避けられなくなったとの見方が見られています。
日米韓の密着を警戒してきた中国本土が韓国を対象にして、
「スパイ追及」
という新たな名目を、交渉カードとして韓国に対しても悪用する可能性も指摘されて初めています。
韓国国内で、こうした声が出ている中、日本は如何でしょうか?
こうした姿勢を取る中国本土政府との信頼関係は如何なものなのでしょうか?
中国本土と対立する必要はありません。むしろ対立してはなりません。
しかし、ここでもやはり日本は国家として毅然とした態度を取り、中国本土政府と日本の倫理観を基にして堂々と対応していくべきであると思います。
中国本土、中国人がいないと生きていけない日本、日本人を作ってはならないと私は思います。
今週のニュース
―今週のニュース項目(見出し)―
1. 台湾、個人所得税について
2. 台湾、在宅介護労働者の賃金水準について
3. 台湾、電力について
4. 台湾、記念コイン発行計画について
5. 台湾、台湾積体電路製造TSMCについて
6. 台湾、トランプリスクについて
7. 中国本土情勢について
8. 中国本土、自動車業界動向、そしてEV展開について
9. 中国本土、AIについて
10. 中国本土、サイバー攻撃について
11. 日中関係について
12. フィリピン情勢について
13. タイ情勢について
14. ベトナム情勢について
15. カンボジア情勢について
16. マレーシア情勢について
17. シンガポール情勢について
18. ミャンマー情勢について
19. オーストラリア情勢について
20. ニュージーランド情勢について
21. スリランカ情勢について
22. パキスタン情勢について
23. ロシア・ウクライナ情勢について
24. ロシアと中国本土の動きについて
―今週のニュース―
1. 台湾、個人所得税について
台湾では、来年5月の個人所得税の総合申告では、減税の二重のメリットで「減税感」を味わうことが出来るようにしたいとして台湾政府が動いている。
台湾政府・財政部は、来年の所得税申告に関する関連調整を発表し、これに加えて免税、標準控除、給与、特別控除により、一人当たりの基本生活費が昨年の2万2,000ニュー台湾ドルから21万ニュー台湾ドルに引き上げられることとなるであろうと発表している。
こうしたことから、財政部税務署の試算では、減税効果の総額は243億ニュー台湾ドルに上るとされている。
台湾では、個人消費の拡大によって、台湾経済を拡大する、その為には、個人の実質可処分所得を拡大する必要があり、企業の賃金拡大が容易ではない中、減税によって可処分所得を拡大すると言う動きに出ている。
当然、税収減については、国家予算の支出を見直し、より効果的な予算成立を目指すとしている。
所得減税や消費税減税もあまりせず、大企業のみならず、決して経営が楽ではない中小企業に対してまで広く給与拡大を要請している日本政府とは好対照の動きを示している台湾政府である。
一方、台湾では、今年の地価税の納期限は12月2日までとなっているが、地方税局は、多くの人がまだ全額を支払っていないとし、もし完納していない場合には3日ごとに地価税の1%の延滞料が課されると注意を喚起している点も注目しておきたい。
2. 台湾、在宅介護労働者の賃金水準について
台湾国内では、在宅介護労働者の賃金は長年にわたって基本賃金と一致して引き上げてられていない。
こうした中、台湾介護産業労働組合(SBIPT)は長年、在宅介護労働者の賃金を台湾の基本賃金と同等にするよう求めてきた。
そして、労働部に対して、改めて引き上げ要求を表明すると共に、労働部長に新たに就任予定のホン・シェンハン氏に対して、在宅介護従事者の権利と利益を包括的に改善するよう求めている。
今後の動向をフォローしたい。
3. 台湾、電力について
台湾は島国であり、潜在的には電力と水不足が顕在化し易い国である。
こうした中、工商協進会が会員にエネルギー意向調査を実施したところ、回答の9割以上が原発ゼロ時の電力不足を懸念しており、
「原子力とグリーンエネルギーの共存」
を望んでいると言う結果が示されている。
こうしたことを受けて、台湾では、原子力政策を抜本的に変更してくるのか否か、フォローしたい。
4. 台湾、記念コイン発行計画について
台湾は野球が大変盛んな国である。
そして、先日はプレミア12で、日本を破って優勝したことは、台湾の一大ニュースともなった。
そして、そうした中、台湾中央銀行は、その、
「プレミア12優勝記念コイン」
を発行出来ないかという検討に入っている。
ニュー台湾ドル紙幣の発行は手続きが複雑なことから、記念コインを発行するという可能性を模索し始めている模様である。
国威発揚と野球ファンの期待に応えるため、記念コイン発行は有意義ではないかとの声も高まりつつある。
今後の動向をフォローしたい。
尚、日本の政界と野球界に精通している方から、台湾が日本を破り、優勝した直後、直ぐに、
「日本政府が真に台湾を政治的に大切にするのであれば、直ぐに石破首相から台湾の頼総統に祝電を入れるべきである。」
との話を筆者は戴いたが、台湾のこうした記念コインまで発行しようと言う反応を見ていると、石破首相の祝電がなされていたならば、台湾は更に親日的な国になったかもしれないと今更ながら感じる次第である。
5. 台湾、台湾積体電路製造TSMCについて
台湾積体電路製造TSMCは、今後、機器及び材料工場のサポートを加速し、先進的なパッケージング体制を構築したいとしている。
また、更に重要な戦略として発電能力なども含めた生産能力を強化と、上述したバックエンドの包装工場の強化との連携も図り、複合的にビジネスを拡大しようとしている。
今後の動向をフォローしたい。
6. 台湾、トランプリスクについて
米国ではもちろんまだトランプ新大統領は就任していないが、就任後に中国本土、メキシコ、カナダに対する関税を引き上げるとは、既に発表している。
そして、そのトランプ大統領は、対中牽制と言う点では、台湾カードを使ってくる可能性が高い一方で、台湾に応分の軍事費負担を要求してくる可能性は高いと見られ、台湾国内でも警戒感が出ている。
但し、今のところ、台湾の輸出をはじめとする経済実績に大きな影響は出ていないし、今後も影響は最小限にと止まるとの見方を台湾政府は示している。
尚、現在の台湾の全体的な経済状況は良好であり、本年8月時点では今年の台湾の経済成長率は3.90%と予想されており、今後、上方修正され、4%を超える可能性もあると予想されている。
今後の動向をフォローしたい。
7. 中国本土情勢について
湖北省武漢市で新型コロナウイルス感染拡大の初期段階に報道した為、投獄され、その後釈放されていた中国人が、再び逮捕されたと見られている。
即ち、新型コロナウイルスが本格的に拡大した2020年、元弁護士の張展氏は、武漢で過酷な生活を強いられている市民に関する情報をネットに投稿、また、当局の感染拡大への対応についても報道したが、これを受けて張元弁護士は治安妨害の罪で拘束され、実刑判決を受けた。
そして、刑期を終え、今年5月に釈放されていた。
中国本土の人権活動を支援するウェブサイトは、張元弁護士が治安妨害の疑いで11月18日に再び逮捕されたと報じている。
同ウェブサイトによると、張元弁護士は8月に他の人権活動家を支援する為、内陸部の甘粛省を訪れ、その後、キョウ西省の故郷を訪れた際に当局に拘束されたとしている。
張元弁護士はその後、上海に連行されたとも報じられている。
詳細情報はない。
尚、こうした中、国際社会からは、
「厳しい行動制限を伴った中国本土のゼロコロナ政策の緩和を求めて中国の若者らが声を上げた白紙運動から11月下旬で2年となったが、言論の締め付けは依然として厳しく、中国本土国内で異論の声を上げるのは難しい状況が続いている。」
との見方が出ている点、付記しておきたい。
一方、中国本土では不正・腐敗が撲滅されていない。
こうした中、中国本土政府・国防部は11月28日、中央軍事委員会委員で中央政治工作部主任の苗華氏に重大な規律違反の疑いがあるとして職務を停止し、調査を進めると発表した。
汚職に関与した疑いと見られている。
中国本土軍では2代続けて国防相が汚職で処分されており、上層部の深刻な腐敗問題が続いている可能性があり、また権力闘争の中でこうした処分が利用されている可能性もある。
更にまた、北京の裁判所は11月29日、共産党系の中国本土紙である「光明日報」で論説部副主任を務めた董郁玉氏に対して、スパイ罪で懲役7年の判決を言い渡している。
日本人を含む外国人と安易にコンタクトしていたことなどから容疑が持たれていた模様である。
注視したい。
8. 中国本土、自動車業界動向、そしてEV展開について
日本のピックアップトラックは、タイをはじめ、東南アジアのドライバーに人気があるとされているが、中国本土の自動車メーカーは市場のシェア拡大を目指しており、これを国もサポートしている。
そして、中国本土メーカーは、タイの首都・バンコク近郊の主要ショーで最新モデルを相次いで披露している。
世界中から42の自動車ブランドが集まり開幕し12月10日まで開催されるタイ国際モーターエキスポでは、中国本土のメーカーは、特に、東南アジアで人気の、
「ピックアップトラック」
の宣伝に注力している。
例えば、吉利汽車グループは新しい電気自動車を披露し、長城汽車はピックアップトラックを発表している。
中国本土の広州モーターショーでは11月15日、電気自動車(EV)が大いに注目されている。
中国本土の大手EVメーカーであるBYDのスポーツ用多目的車(SUV)である水陸両用車の「U8」は、屋外イベント会場に設置した長さ約10メートルのプールに入り、水しぶきを上げ、その存在を誇示した。
水に入った後、船のように浮かんで水の中も奏功すると言うパフォーマンスを展開した。
「緊急水中浮揚」と名付けられた機能は30分間にわたって使えるとのことであり、モーターが付いた四輪が泳ぐように異なる方向に動き、水中で方向を細かく調整出来るとされている。
その場で360度回転する「タンクターン」、タイヤが一つパンクしても人工知能(AI)が残りのタイヤだけで走れるように重心を取る「重量分散」技術など今まで見たことのない先端機能が多く搭載されているといった最新型のEVが中国本土で登場している。
注目したい。
9. 中国本土、AIについて
今秋、米国のカリフォルニア州・サンノゼのあるテクノロジー企業がサンフランシスコで開催したイベントには約200人の企業関係者と投資家が集まり、人工知能(AI)を活用したセキュリティ技術、拡張現実(AR)の活用ソリューションなど現地で最高レベルのエンジニアによる技術講演が続く中、出席したシリコンバレーのベンチャーキャピタル関係者は、
「スタートアップ、投資関連のネットワーキングイベントでは過去数カ月で中国人の姿がぐんと増えた。
彼らは会場で名刺を配り、AIエンジニアに接触している。」
との見方が業界では流れている。
中国本土のAI分野での影響力拡大の動きも速くまた鋭い。
10. 中国本土、サイバー攻撃について
国際社会では現在、
「中国本土のサイバーセキュリティ企業から漏洩したと見られる文書に、海外でのサイバー攻撃に使用された可能性のある戦術や戦略が明らかにされている。」
との見方が出てきている。
こうしたサイバー攻撃にはハッキングや世論操作も含まれている模様である。
今後の動向をフォローしたい。
11. 日中関係について
日本の自衛隊と中国本土軍の中堅幹部が対話する、
「日中佐官級交流事業」
で、自衛隊代表団13人が11月26日~12月4日の日程で中国本土を訪問している。
北京市や天津市などで軍事施設を訪問するなどして、防衛当局間で信頼醸成を図りたいとしている。
是非、
「真の信頼醸成」
に繋げて戴きたい。
12. フィリピン情勢について
フィリピン国内政治では、マルコス・ジュニア大統領とドゥテルテ前大統領ファミリーの対立が表面化する中、混乱の兆しが見られる。
こうした中、マルコス・ジュニア大統領暗殺計画を首謀したとして、フィリピン捜査当局は11月26日、ドゥテルテ前大統領の娘であるサラ・ドゥテルテ副大統領に対して、29日に出頭を命じる召喚状を出した。
自分が殺された場合に、マルコス大統領や家族を殺すよう殺し屋に命じたと発言した為である。
訴追される可能性が出てきている。
尚、フィリピンでは、一般的には、人の命が安く、殺し屋の存在も知られている国であり、また社会問題として、一つの課題となっている。
13. タイ情勢について
国際機関である国際通貨基金(IMF)はタイの経済成長率について、
「今後予定されている財政刺激策と公共投資拡大によって、今年は2.7%、来年は2.9%に加速する。
民間消費は景気刺激策によって堅調に推移し、民間投資も拡大が見込まれる。」
との見方を示している。
IMFは、タイ中央銀行が本年10月に政策金利を0.25%引き下げたことを評価し、追加利下げは更に景気回復を下支えすると指摘している。
タイ政府・工業省は、傘下の産業振興局(DIPROM)に対して、タイ各地域でカカオ産業を振興し、農産品の地域ブランドを守る地理的表示(GI)保護制度の登録産品に育てるよう指示している。
エカナット工業相は、
「これは、ソフトパワーと観光を統合した3年計画であり、タイを東南アジア諸国連合(アセアン)のカカオハブに押し上げ、主要生産国となることを目指す。」
とコメントしている。
タイ工業省は、タイのカカオ産業について、カフェや観光業などへのビジネスの発展性が見込め、雇用を地域に生み出せる産業であるとしている。
タイ工業省では、
「起業家は、カカオのあらゆる部分を食品や化粧品などの高付加価値製品として利用することに関心を持っている。」
との認識をしている。
タイのカカオ産業の動向にも今後は注意を払いたい。
14. ベトナム情勢について
ベトナムの鉄鋼メーカーは、ベトナム国内の建設事業、公共インフラ事業からの鉄鋼需要に期待していると見られている。
地場の軍隊商業銀行証券(MB証券)は、国内の建設用鋼材価格が徐々に回復し、向こう2年間は建設用を中心に鉄鋼の国内需要が成長を牽引するであろうとの予測が出ている。
今後の動向をフォローしたい。
15. カンボジア情勢について
地雷の全廃を目指す対人地雷禁止条約(オタワ条約)に関する国際会議が、11月25日からカンボジア北西部のシェムリアップで開催された。
カンボジアには多数の地雷がまだ地中に眠っていると言われ、筆者の知る限りでは、日本の神戸製鋼などは古くからカンボジアの地雷除去と言う国際協力の事業を積極的に行っている。
そして、当該会議に先立ち、日本が現地に建設中の平和博物館を、各国の高官らが視察している。
地雷や不発弾の恐ろしさを世界に発信する施設として期待される。
日本の地味ではあるが、地に根を張った国際貢献である。
16. マレーシア情勢について
マレーシアの電気自動車(EV)市場に供給過剰の兆しが見えているとの見方が出ている。
本年1~9月のマレーシア国内に於ける新車販売台数にEVが占める割合は2%程度に留まっているものの、中国本土勢の市場参入やモデル投入が相次いでいると報告されている。
マレーシア政府は、価格が10万リンギを下回る国産EVの生産を支援する方針を打ち出しており、更なる競争激化がマレーシア国内自動車市場では見込まれている。
今後の動向をフォローしたい。
17. シンガポール情勢について
シンガポール初代首相であった故リー・クアンユー氏の長男で、シンガポールの前首相でもあるリー・シェンロン氏は11月24日、与党・人民行動党トップの書記長を退任する意向を示唆した。
約20年にわたり務めた首相を5月に退任、1965年のシンガポール独立以来、政権を握ってきた同党トップからも退くことで、シンガポールと言う国家が、こうした世代交代を一段と進め、またリー・ファミリー体制と言われないような体制作りを進めてくるのか否かが注目されている。
今後の動向をフォローしたい。
18. ミャンマー情勢について
ミャンマーの少数派イスラム教徒であるロヒンギャの迫害問題を巡って、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)の検察局は11月27日、ミャンマーで全権を握る国軍のミンアウンフライン最高司令官に対して、
「人道に対する犯罪容疑」
で逮捕状を請求している。
関係者への捜査を進めるとしている。
今後の動向をフォローしたい。
19. オーストラリア情勢について
オーストラリア政府統計局(ABS)が発表した本年10月のオーストラリアの消費者物価指数(CPI、実測値)は、前年同月対比2.1%上昇となっている。
上昇率は前月から見ると横ばいとなっており、2021年7月以来の最低水準を維持している。
項目別の上昇率は、保険・金融サービス6.3%、教育6.3%、酒類・たばこ6%、娯楽・文化4.3%、医療3.9%、食品・飲料3.3%、家具・住宅設備・住宅サービス1.6%、衣服・履物0.6%、住宅関連0.2%となっている。
一方、交通は2.8%、通信は0.7%、それぞれ下落している。
政治・社会面に目を向けると、オーストラリア議会は11月28日、
「16歳未満のSNS利用を禁止する。」
という法案を賛成多数で可決した。
こうした法案は世界で初めてと見られ、近く成立し、1年間の猶予を経て、来年末に施行される見通しである。
SNSの若者に対する弊害はしばしば言われてきたが、オーストラリア社会の秩序安定の為にも必要との判断が議会でなされたものと言えよう。
この効果を眺めながら、こうした動きは英国連邦では拡大する可能性もある。
そして、この法案可決に関して、アルバニージー首相は、
「我々が行ったことは世界に先駆けている。」
と自画自賛している一方で、SNSを運営するプラットフォーム事業者側は強く反発していることも付記しておきたい。
今後の動向をフォローしたい。
20. ニュージーランド情勢について
ニュージーランドの中央銀行であるニュージーランド準備銀行のチーフエコノミストであるコンウェイ氏は、米国のトランプ次期大統領の経済政策は、中期的にはインフレとなるリスクをもたらす恐れがあると述べた。
コンウェイ氏は議会委員会で、中銀は潜在的な影響について正式なモデリングを行っていないが、トランプ次期大統領の政策課題が物価上昇に繋がる可能性があり、
「今後インフレ動向が一段と不安定になる可能性がある。」
と指摘している。
また、
「トランプ次期大統領が何をするかは予測出来ない。
彼はよく話すが、実際に何が実施されるかに反応するのは軽率である。」
とも述べている。
一方、ニュージーランド準備銀行のシルク総裁補は、来年2月の会合で0.25%もしくは0.5%の利下げが議論されるとの見方を示している。
ニュージーランド準備銀行は、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を0.50%引き下げ、4.25%としている。
シルク総裁補はロイターのインタビューで、国内インフレの抑制に引き続き取り組む必要がある為、更に大幅な利下げの必要性は感じなかったと述べている。
21. スリランカ情勢について
世界的な格付け機関の一つであるムーディーズは11月27日、経済危機に陥ったスリランカが債券交換を申し出たのを受けて、スリランカの外貨建て長期国債の格付けを現行の「Ca」から引き上げる可能性があると発表した。
Caは、
「非常に投機的であり、デフォルト(債務不履行)に陥っているか、それに近い状態」
と見られている投機的クラスの格付けとなる。
27日に始まった債券交換は国際債券約125億5,000万米ドルの再編と経済安定化の為の重要な部分となっていると見られている。
ムーディーズは、スリランカの米ドル建て新債券の暫定的な格付けを「Caa1」とした。
これは外貨建て長期格付けより3段階高くなってはいるものの、投機的で安全性が低いと見做され、信用リスクが極めて高いと解釈される投機的クラスの格付けとなっている。
今後の動向をフォローしたい。
22. パキスタン情勢について
パキスタンの首都・イスラマバードで11月26日、汚職などの罪で収監中のイムラン・カーン元首相の釈放を求める支持者らが、中心部に向かってデモ行進し、治安部隊と衝突するという事件が発生した。
地元テレビによると、少なくとも6人が死亡する事態となったと報告されている。
パキスタンの混乱は続いている。
23. ロシア・ウクライナ情勢について
フランスのバロ外相は11月23日に公開された英BBCのインタビューの中で、ロシアによる侵略を受けるウクライナへの支援について、
「レッドライン、即ち、越えてはならない一線を引くべきではない。」
としたうえで、フランスがウクライナに供与した長射程兵器のロシア領内への使用を容認する方針を示し、フランス政府閣僚が公式にこれを容認するのは初めてとなった。
米国の次期トランプ政権がどのように出てくるのかが不透明な中、フランス政府としては、何としもロシアの勢力拡大を阻止すると言う姿勢を示唆したとも受け止められる。
今後の動向をフォローしたい。
24. ロシアと中国本土の動きについて
ロシアはウクライナ情勢が落ち着くと、場合によっては、北朝鮮とも連携、日米韓に揺さぶりを掛けつつ、軍がオホーツク海で核ミサイル搭載の原子力潜水艦の配備を軸とする軍事戦略を拡大、強化する可能性がある。
日米韓との対立の構図が再び鮮明化している中、ロシアとしては、北朝鮮、可能であれば、中国本土も巻き込みながら、オホーツク海を防衛の砦としてくる可能性があると言うことである。
そして、こうした中、日本の防衛省は11月30日、中国本土方面から飛来した中国本土軍の爆撃機である「H6N」2機とロシア軍の爆撃機である「Tu95」2機が合同で沖縄本島と宮古島の間を通過し、太平洋まで共同飛行したとしている、
4機は29日も日本海と東シナ海で共同飛行していたとされる。
H6爆撃機は長射程対地巡航ミサイルを搭載可能とされ、H6Nは空中給油で長距離を飛行出来るとされているものである。
尚、防衛が日本周辺でH6Nの飛行を確認したのはこの29日が初めてとされている。
30日は午前から午後にかけて中露の爆撃機が太平洋側に出た後、同じルートで東シナ海に戻り、中国本土軍爆撃機はそのまま中国本土方面に去ったが、ロシア軍爆撃機は両島間を更に複数回往復した後、日本海側に出て大陸方面に飛び去ったと報告されている。
尚、この動きについては、韓国でも大きく報道されており、韓国の防空識別区域(KADIZ)に無断で進入し、その後、飛び去ったとし、韓国軍合同参謀本部は強い警戒感を示している。
中国本土とロシアの軍用機が共同で韓国の防空識別区域を侵犯するのは昨年12月以来とされる。
今後の動向をフォローしたい。
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